2017年02月16日
カテゴリー : アーケード
いまさら聞けない? 譜面制作よもやま話 【第十一回】
みなさん、こんにちは!譜面ジャーのヤマグチです!
先週末はJAEPOショーでしたね。イエローVer.を先行体験された方はいかがでしたでしょうカッ?
新曲かどうかは問わず、この曲(譜面)のこんなところがよかった!、こうしてほしかった!、等の感想を頂けると、今後譜面を作る上で大変参考になりますので、公式Twitter宛にどしどしご意見頂けると嬉しいです!
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さて、前置きはこの辺にして、よもやま話に移りますよ~!
前回予告した通り、今回はカワーゲン・コラーゲンさんに語って頂きます!
それではカワーゲンさん、お願いしまーす。
みなさん、こんにちは!カワーゲン・コラーゲンです!
みんなの上腕三頭筋は元気かな?自分の腕は、肩より上には上がりません!(泣)
今回は、譜面ジャーとしてだけではなく、ナムコオリジナルを制作する担当者としての話も含めながらお話ししたいと思います!
→太鼓チーム加入
むかーしむかーし、太鼓の達人が世に出る前、
カワーゲン・コラーゲンがまだ「カワゲン」と呼ばれていた頃。
和太鼓の業務用ゲームを作ると聞きつけ「これは面白い!絶対に売れる!楽しそうだから手伝わせて!」
と、頼まれてもいないのに半ば強引にお手伝いを始めたカワゲンでした。
しかし、当時カワゲンが担当していたコンシューマゲームの音楽チーフから
「いやいや待て、こちらのゲームも音楽多いんだから、こっちに専念して」
と言われ、彼は泣く泣く和太鼓ゲームの手伝いを断念するのでありました。
※ちなみに、その音楽チーフとは、のちにナムコオリジナルの名曲を多数作ってくれることになる「おおがみまさこ」であると伝えられている
時は流れて、クレオフーガの社長と知り合いになっていたカワゲンは、クレオフーガ社が運営する音楽系SNSで太鼓の達人楽曲コンテストを開催するアイデアを思いつき、企画書とともに太鼓の達人チームに参加することになったのであった。
→譜面制作数:もうすぐ40曲!
→リズムや旋律だけにとらわれず、時には歌詞の内容にも気を配り、言葉の意味や雰囲気を譜面でどう表現できるか、いつも考えています!
→コメントは基本的に「おに」譜面のものです。
「にんじんにん」
記念すべき初めての譜面です!譜面制作を楽しむどころか、悩みに悩んで、生みの苦しみを味わいましたが、最終的には曲が持つリズムの楽しさに助けてもらったと思っています。
「むずかしい」コースでは、終盤に歌で「にんじん」を連呼するタイミングが速くなるタイミングに合わせて、その前の長いフレーズをほぼそのまま倍速にして配置しました。
「にんじゃりばんばん」
きゃりーぱみゅぱみゅさんが(彼女の曲をテレビで聴くたびに、妄想太鼓譜面が流れてしまうほど)大好きなので、新曲が太鼓に採用されるのであればぜひ譜面を担当したいと思っていました。
この曲がゲームに採用されることになった時には、ちょっぱや(死語?)で譜面を作って譜面リーダーに見せて熱意をアピールした結果、譜面を担当させてもらえることになりました!
この頃、16分音符での5連打の配置ずらしが楽しく感じるようになってきました。
「時空庁時空1課」
自分が作曲した曲はゲームミュージックジャンルに「バーニングフォースメドレー」(増渕さんアレンジ)が採用されていますが、
ナムコオリジナル用として初めて書き下ろした曲がこちらになります。
それゆえに思い出深い1曲です。
歌詞の「夢にみる姿は~」からのパートには執拗な繰り返しの譜面ゾーンを当てました。単純だからこそ、気を緩めると危険というか、何を叩いているのか分からなくなるように演出したつもりですが、どうでしょう?
ところで、歌手のunmoさんは、自分が太鼓チームに入るずっと以前に音楽系SNSで知り合いになった人。彼女の歌声にほれ込み「いつか僕の歌を歌ってください!」とラブコールを送り続けていたのが、やっとこの曲で実現しました。
「ぷるぷるしんぷる」
楽曲を提供していただいたHer Ghost Friendと制作中からガッツリ意見交換しながら丁寧に作った曲です。さらに、歌詞の一部分の単語を汲み取り、それを見事に音符へと昇華させた部分があるということで、これは自分を代表する譜面だと思います(謎)。
他には、ドンとカツを同じ数だけ交互に配置してゆくしばりで作ったエリアがあるのですが、お気づきになりましたでしょうか。。。。
「ラッスンゴレライ」
この曲が一世を風靡していたので、太鼓の達人でも一緒に盛り上がるには?と考えた結果の裏譜面投入です。
そして、お気づきかと思いますが、裏譜面のコンボ数はアーティスト(コンビ)名である「8.6秒バズーカー」の8.6を表現していて、そんなところでも話題になってくれたらとの思いで調整しました。
「シューガク トラベラーズ」
他の譜面ジャーさんの譜面を拝見していると、「美しい・・・」と感じることがあります。リズム、時には旋律に寄りそうように、音符を上手く配置するだけでなく、見た目にも美しい譜面に憧れていました。この曲でやっと、美しい譜面配置を作れたと思いました。(※感じ方には個人差があります。)
ドン(音程の下側を担当)カツ(音程の上側を担当)をメロディーに沿って流れるように配置する気持ち良さを覚えました。
「恋幻想 (Love Fantasy) 」
とある飲み会の席でのこと。同席していた永遠の17歳を謳う17歳教の教祖様、声優の井上喜久子さんから「娘のほの花が17歳になりました!」と伺いました。そこで、「親子共に17歳のうちに、太鼓の達人からほの花さんを歌手デビューさせましょう!」と提案したところ盛り上がりまして、楽曲をプロデュースさせてもらうことになりました。
譜面ですが、「おに」コースではハイスコアを狙って孤高にプレイする印象が強いものの、2人でプレイする際に、一体感を味わえる方法が何か無いだろうか、と考えていました。
ならば、2人プレイで一体感を味わえる音符配置
そこで、この曲ではかんたんを除く3コースだけですが、アウトロに入る前にポツンと流れてくる「カツ」をキリ番コンボにしてあり、最初からコンボを切らしていなければ、ここのタイミングで難易度が違っている場合でも同時に「●●コンボ~」の音声が流れるように設計しました。
「そつおめしき」
この曲は「おに」コース☆10を目標に制作を依頼されたもので、元はインスト(歌無し)でした。増渕さんから「このメロディーなら歌モノの方が良いのでは?」と提案されて、締切が近かったのですが急きょ歌詞を制作、unmoさんにお願いして自宅で歌を録音してもらったデータをもらい、アレンジはチップチューンだった音色をほぼ変更、ドタバタした末になんとか締切に間に合いました(汗)。
※元になった曲は「そつおめしき」(プロトタイプとして、闘会議2016・会場限定CDに収録されています
結果、おに☆10にして感動ソング!という面白い立ち位置の曲が出来上がりました。この曲のロングバージョンが聴きたい!という反響もあったようなので、今回2番の部分を制作してみましたがどうでしょうか。1番と2番で違う雰囲気が楽しめるよう、音符配置だけでなく、アレンジ、歌詞の雰囲気も変えています。
おまけ
ちょうど卒業式シーズンですね!太鼓チームから卒業生へのプレゼントとして「そつおめしき・ふる」(フルバージョン)の動画をアップさせてもらいました!
歌はunmoさんを録音スタジオにお招きして1番含めて収録しなおしました。また、フルバージョンにするにあたり、全体的に調整を入れていますので、楽器の音色など一部ゲームセンター版に収録されている1番とは異なる部分があります。
これを機会に、ドンだーでない人にもナムオリを知ってもらえたらウレシス!
それでは!
そつおめしき・ふる
はい、ありがとうございました!!
譜面ジャーでもあり、サウンドンでもあるカワーゲンさん、
曲に深く関わっているからこそのこだわりが譜面から伝わってきますね!
16分音符の使い方やドン、カツの色味の組み合わせなどもユニークですよね~。
引き続き素敵な楽曲&譜面を期待しております!!
というところで、今回のよもやま話はここまで!
次回は「すえP」さんに登場してもらう予定です~。
それではまた近いうちにお会いしましょう~♪
「いまさら聞けない? 譜面制作よもやま話」に関する過去記事はこちら
※【第一回】から【第七回】までの過去記事はこちら
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