2017年05月11日
いまさら聞けない? 譜面制作よもやま話 【第十三回】
みなさん、こんにちは!久々登場のヤマグチです!
GWが終わり、5月病気味のヤマグチですが、今日もがんばって譜面をこしらえています。
最近だと「限界突破×サバイバー」の裏譜面を担当しました!
裏譜面は以前公式ブログでもお伝えした通り、
7つの玉を集めることで譜面分岐する仕組みになっていますが、
みなさんは達人譜面へと分岐できたでしょうカッ?
まだプレイしてないぞ!という方はぜひチャレンジしてみてください~。
さて、前置きはこの辺にしておいて、よもやま話に移りましょう!
今日は太鼓チームのレジェンドといっても過言ではない譜面ジャー「こはらー」さんです!!!
ヤマグチをはじめ、譜面ジャーはみんな頭が上がらない方ではないでしょうカッ!?
ということで「こはらー」さんお願いしま~す!
こんにちは。こはらーと申します。
太鼓の達人の初期より、譜面制作やその他いろいろ担当させていただいています。
→太鼓チーム加入:2000年(太鼓の達人アーケード1作目開発中) 最古参譜面ジャー3人衆のうちの1人です。
→譜面制作数:約50曲
→演奏スキル:最近の譜面だと、おに☆7がノルマクリアできるくらいです
※1作目が世に出る前までは、チーム内ではいちばんうまかったような…?(でも、すぐに世間に抜かれました)
アーケード版初代1作目~4作目のころ、仕様書を書いたり、譜面を作ったり、難易度調整をしたり、デバッグをしたりなどしていました。
譜面のとりまとめや各譜面担当者への修正のお願い、スコアや魂ゲージの増加量の調整などを担当しており、今でいうところの譜面リーダーの元祖というところでしょうか…?
はじめのころは力技でなんとかしていた譜面制作の環境ですが、自分の使いやすいものを作ったり改良したりして、1作ごとに地道にパワーアップさせていって、今に至ります。
最近では、太鼓の達人の家庭用製品などのゲームデザイン(たまにプログラム)を担当することが多く、ごくたまに譜面を担当させていただくこともある感じです。
→「レトロ」
→昔ながらの「ドンドコ」言う感じの音符配置が身体に染み付いちゃっているみたいです。
→音符を流れてくるのを恐る恐る待つプレイヤーの姿を、常に新鮮な気持ちでイメージする
→かんたんコースの譜面は、生まれて初めて太鼓の達人をプレイする人でもちゃんと楽しめる、でも退屈にはならない、というギリギリのラインをねらう
※以下、もうだいぶ昔に作った譜面も多いため、
「この譜面のここが~」というような話よりも、
昔話・思い出話が多くなってしまいました。
「ラブユー☆どんちゃん(旧バージョン)」
太鼓の達人アーケード1作目に収録された曲で、
岡部啓一さん作曲のおしゃれな楽曲です。ささやくようなボーカルもよいですよね。
太鼓の1作目で譜面担当としてこの曲をはじめて聞いたとき、
私は「いい曲だなー♪」という気持ちと同時に、
「でも、譜面はどうすればいいんだろう???」という戸惑いも持っていました。
この曲にどうやって太鼓の音色を合わせると良い遊びになるか、しばらく試行錯誤していました。
そんな悩める当時のある週末、「(あわよくば製品づくりの参考になれば…)」くらいの軽い気持ちで
家の近くで開かれていた町のお祭りを見に行ったのが転機になりました。
そのお祭りでは、夜、暗くなった頃に、女性の太鼓演奏グループによる和太鼓の演奏をやっていました。
私はそれを間近で見ることができて、
数名の演奏者がかわるがわる太鼓を叩く圧倒的なグルーヴ感、音の気持ち良さ、動きのかっこよさ、
それらにすっかり虜になってしまいました。
「和太鼓ってやっぱりすごい!!」と、すっかり夢中になったホットな状態で週明けに会社にやってきて、作った譜面がこれでした。
もとの楽曲の流れを活かしつつ、
はじめは簡単めでだんだんとむずかしくなっていくパターンや、2人用での掛け合いなど、
自分が見た和太鼓のかっこよさをできるかぎり再現できるようなものを目指して熱中して作りました。
完成した譜面を2人プレイでオート演奏させたときの格好よさは、当時とても気に入っていました。
最近では、元の譜面のテイストをなるべく汲んでもらった新譜面をヤマグチさんに作ってもらえて、それもうれしかったです。
「ゴーゴー・キッチン」
太鼓の達人アーケード1作目に収録された曲で、
みすみゆりさん作曲の、疾走感のあるかっこいい曲です。
また、1作目では最も難しい内容の譜面でした。
第1作目ということで譜面の内容もいろいろ試行錯誤していましたが、当時なりに、
「太鼓の達人で難しい譜面を作るにはどう構成するとよいか?」をいろいろ考えた結果、
・高速に流れる「ドン」を16分で4連続で叩く
・敷き詰められた「ドン」と「カッ」を叩き分ける(でも何度も繰り返するのでそのうち覚えられる)
・最後は休みなくひたすら等間隔で叩き続ける
・曲が進むほどだんだんと難しい音符パターンになっていく
・譜面分岐で、うまい人はより難しい音符パターンを叩くことになる
というあたりで難しさを実現してみました。
初見プレイでは「これ無理!」という反応だった人が、
頑張ってノルマクリアやフルコンボできるようになっていく姿を見られてうれしかったのを覚えています。
「ラジオ体操第一」
太鼓の達人アーケード3作目だけに収録されていた曲です。曲のジャンルは「体操」です。
「体操しているときの動きや体感覚をなるべく再現できるような譜面にする!」
ということを目指して作ったのがこの譜面でした。
腕を上や横に上げるときは「カッ」、前や下のときは「ドン」、
両手の運動のときは大音符、
身体を後ろに反らしているときは、打ち分けやタイミング合わせが難しいので「連打」、
というような割り当てにしています。
そのように想像してプレイしてもらえると、またちょっと違う印象になるかも?!
(でも、ゲームセンターでバチを大きく振り回しちゃ駄目だぞ!!)
「アンパンマンのマーチ」
「できるだけかんたんな譜面を作る、でも退屈にはしない」ということを強く意識して作った、最初期の譜面です。
(以下、かんたんコースの譜面についてのお話)
途中で「カッ」がはじめて出てくる前後には充分な余白を持たせ、そのあとも「ドン(大)」や「連打」などの違う種類の音符を少しずつ追加していくというふうに、導入要素を強く盛り込んだ内容にしています。 でも、退屈さなどは感じさせないようにもしたつもりです。
製品発売前のロケテストやショウ、製品発売後のゲームセンターなどで、初めて太鼓の達人を遊ぶお客様がこの曲をちゃんと楽しんでクリアしてもらえている姿を自分の目で何度も見ることができて、とてもうれしかったです。つい先日も、通りがかったゲームセンターで、この曲をパパママサポートで遊んでくれている親子のお客様を見かけてほっこりしました。
「S(mile)ING! 」
太鼓の達人アーケード版に2017年1月に収録された曲です。
この曲は、太鼓の達人に収録するにあたって、曲の構成が新たに用意されました。
私は曲構成には直接関わっておらず、譜面を担当しただけではありますが、私も元々大好き曲&作品だったので、チーム内のこの熱い思いを受け取って、よい譜面にしようと気合が入りました。
全体的に軽やかさを大事にして、各所のキメのところをしっかり拾うようにしました。
また、最後の連打は、元の歌唱で伸ばして歌いきっているところを大事にするような配置にしようと思い、打数の決まっているふうせん音符などではなく、黄色い連打を歌唱の長さに合わせて配置しました。
振り返ってみると、古い譜面ジャーである私が担当したことによって、結果的に、なんだかどこか懐かしい太鼓テイストの譜面になったような気もしています。
その他
そのほかに以下の譜面なども担当しました。
(※途中でリニューアルされた譜面があれば、私の担当はリニューアル前のものです)
「independent」
「WE ARE THE CHAMP~THE NAME of THE GAME~」
「詠人」
「ultra soul」
「おさかな天国」
「お祭り忍者」
「残酷な天使のテーゼ」
「DANCE!おジャ魔女」
「チュッ!夏パ~ティ」
「ドラえもん音頭」
「ドラえもんのうた」
「どんちゃん音頭」
「ハム太郎とっとこうた」
「MUSIC♪」
「LOVE涙色」
「LOVEマシーン」
「ルパン三世のテーマ’78」
以上、お読みいただきありがとうございました。
最後にひとこと、「譜面づくりはゲームづくりだ!」
どうも、こはらーでしたっ!
こはらーさん、ありがとうございました!
譜面づくりに対する熱い想いが伝わってきますね!!
こはらーさんのコメントでも少し触れられていますが、
和太鼓での演奏という点を意識した音符の配置という印象が強いですね。
中でもお祭り忍者がヤマグチのお気に入りでして、
『太鼓の達人ぽ~たぶる』でよくプレイしておりました。
また、こはらーさんのコメントにも書かれていましたが、
演奏ゲームにおけるスコアの計算やゲージの増加量などの基礎部分はこはらーさんが考えたもので、
今現在、みなさんがプレイしている最新の製品でも取り入れられています。
ですので、太鼓チームの中で一番譜面に関しての知識が豊富といっても過言ではありませんね!
演奏ゲームで何か新しいチャレンジをしたり、問題があったときは、
こはらーさんに相談して解決したりと、大変大変大変(略)お世話になっております。
私もこはらーさんに負けないくらい譜面への理解を深めて、
ドンだーのみなさんに楽しんでもらえる譜面を作れるよう頑張りたいと思います!
ということで今回のよもやま話はここまで!
次回はまた近いにうちに…?
それではまた!
「いまさら聞けない? 譜面制作よもやま話」に関する過去記事はこちら
※【第一回】から【第七回】までの過去記事はこちら
(旧「開発日記(ブログ)」に移動します)